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2025日本の危機 - 「緊縮路線」と「対米従属」の果てに

2025日本の危機 - 「緊縮路線」と「対米従属」の果てに

最近、我が畏友、評論家の佐藤健志氏は、2025 年が日本にとって危機の年になる、と主張しています。 日本が抱える二つの主要な問題が、行きつくところまで行ってしまい、日本の衰亡が決定的になるか、それ を避けられるか、のるかそるかが2025 年だと言うのです。

日本が抱える二つの主要な問題とは、①財政赤字を絶対悪のように見て、積極的な財政出動を避ける 「緊縮路線」と、②対米一体化というレベルにまで強まる「対米従属」です。「緊縮路線」は、すでに30 年 続いている日本経済の低迷を固定化するおそれがあります。「対米従属」は、トランプ現象などアメリカ 国内の分断が進んでおり(内乱の危険性が論じられるレベル)、日本とアメリカの一体化が、むしろリスク になるおそれがあります。

日本の「緊縮路線」と「対米従属」を批判する論者は、佐藤健志氏の他に、藤井聡氏、中野剛志氏が 有名で、いずれも50 歳代の保守論客です。これら(比較的)若手の保守論客の主張が、国政に生かされな いところが日本の問題です。ちなみに、左派とみなされる山本太郎氏(れいわ新選組)も、「緊縮路線」と 「対米従属」に反対する点については、上記の若手保守論客と同じです。

日本では、「緊縮路線」と「対米従属」が、当たり前のようにみなされています。財政赤字は絶対悪だし、 アメリカには絶対逆らってはならない、というのが、結局のところ正解だろう、という漠然とした感覚です。 「赤字を増やしてでも、積極的な財政出動をすべき場合がある」、「アメリカの言い分を、すべてうのみにし てはならない」という主張こそ合理的で、当たり前と言っていいはずなのですが、これらの主張をタブー視 する空気が、日本にはあります。

「固定観念を合理的に見直すことをタブー視し、止めたほうが良いことを止められない」という日本社会 の悪いクセは、古くは先の大戦の敗戦、最近ではジャニーズ問題や、統一教会問題にも見られるもの です。「地方は中央に従っていれば良い」ということも、見直すべき固定観念ではないでしょうか。

このクセは、善悪というよりも、危機管理の問題であり、「これを続けていては危うい」ということに いち早く気づき、路線変更できる主体性が求められます。佐藤健志氏は、「過去の経緯」という事実を知る ことで、タブーの感覚から解放されるとしており、知識・情報が主体性を育むのだな、と思います。(終)

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